【初心者から中級者へ】スナップ撮影のカメラ設定完全図解。一眼カメラのデフォルト設定・オートモードから脱出!
一眼カメラを初めて買うと、まずボタンと設定の数に驚きますよね!
そして、思考停止してとりあえずオートモードで適当に撮り始めたりします。
このボタンが絞り変更で。。
なるほど、わからん
オートで結構綺麗に撮れるから、
設定は後で覚えよう。。
△△の場面では〇〇の設定が良いらしい!とか覚えて設定を色々いじり始めると、今度は被写体の前で設定変更でもたついたり😅
色々なシーンで撮影していると、カメラの設定変更には瞬発力が求められる事が多いです。
特にスナップ撮影では歩きながら画角を変えたり視点を変えながら、カメラの設定を変えていく事が普通です。
私は2000年頃の100万画素のデジカメが凄い!と言われたデジカメ初期の頃からカメラに触れ、撮影仕事の経験もあるハイアマチュアカメラマンです。
20年以上のCanonユーザであり、仕事でスマホ内部の構造を知っているエンジニアでもあります。
そのため「一眼カメラ買った方が良いかな??スマホのカメラどれが良いかな?」という質問を本当に多く受けます。
上記背景もあり、スマホ画質の限界やアマチュアが持ち歩きやすいカメラは何なのか、カメラ進化と共に比較し続けてきました。
この記事では下記のような悩みを解決します。
- 一眼カメラを初めて買ったけど、設定が多くて結局オートばっかり使っている
- 一眼カメラをもっと使いこなしたい!
- スナップ撮影でカメラの設定を変えようと思っても間に合わない💦
歩きながら設定変えるとか
無理ゲーだよね
コツさえわかれば、
すぐ出来ますよ!
特にスナップ撮影やイベント撮影では、被写体から目を離さない事が最優先になります。
多くの設定を変えるということは次の撮影で設定を戻さないといけないということで、撮り逃したり失敗写真を増やすことに繋がります。
そのため、スナップ撮影では後から編集でどうしようもない要素だけ現地で設定調整して撮影するのがおすすめ。
それ以外の後から何とかなる設定は、現地では一番多くの写真で妥当そうな設定に固定でOKです。
【結論】光に関する設定だけしっかりやっておけばOK
光に関係する設定さえ合っていれば、それ以外の項目は家に帰ってからCanon公式ソフト「Digital Phoro Proffessional」やAdobe「Lightroom」等でほぼ自由に編集できます。
簡単に言うと、「写真が真っ黒や真っ白じゃなく、被写体にピントが合っていればOK」という事。
光以外にも画角やピントが合う範囲、オートフォーカスも大事ですが、これらは意識しなくても撮影していれば目で見てどう設定すれば良いかがわかりやすい部分です。
【図解】カメラに取り込まれる光量はこうやって決まる!
もし、既に絞りや露出など、カメラ用語の意味が分かっている方は、下記の図だけ見ればこの記事で言いたい事はだいたい理解できるかもしれません!
分からない方も、この後で詳しく解説するので大丈夫です。
本記事は、以下の画像の意味を最後に理解できるようになるのが目標です!
- 外の明るさから妥当な面積(適正露出)をカメラが自動で決め、露出補正で欲しい光の量が決まる
- カメラが取り込む光の量は、絞り、シャッタースピード、ISOの3つから決まる
- 欲しい光の量と同じ取り込む光の量が同じとなるよう、絞り、シャッタースピード、ISOが決定される
難しそうだけど頑張ります!
概要を知っておくべき用語とおすすめ設定
ここからは、Canon EOS R6の設定画面が説明しやすいので、これで解説します。
他機種、他社の一眼でも同様の設定があります。
最低限、イメージを知っておくべき用語と、無難なおすすめ設定を解説します。
絞り
定義
絞りはカメラ設定上は「F値」と呼ばれます。絞りとは、レンズを通る光の量を調整する窓のような物です。 絞りを開ける(F値を小さくする)と、カメラに入る光の量が増えます。また、ピントの合う範囲が狭くなります(カメラ用語では被写界深度が浅くなると言います)。逆に絞りを絞る(F値を大きくする)と、光の量が少なり、ピントの合う範囲が広くなります。
設定のコツ
絞り解放(そのレンズで設定できる最も小さいF値)はあまり使いません。基本はF5.6~F8て撮り始めると良いです。マクロレンズはF8~F10くらいが良い場合が多いです。
とりあえず上記基本のF値で撮って見て、ボケを作りたかったらF値を小さくします。ピントが一部にしか合わずにボケボケだったらF値を大きくします。
基本はF5.6~F8。
マクロはF8~F10が無難です!
シャッタースピード
定義
シャッタースピードとは、レンズを通ってきた光をカメラに取り込む時間のことです。上の画像では1/60と表示されており、1/60秒という意味です。
設定のコツ
設定のコツは、設定しないことです(笑)
基本はこの後出てくる撮影モードを絞り優先(Avモード)、ISOオートで撮ることで、シャッタースピード自動的に設定されます。
唯一、動きの激しい被写体(子供、犬、電車など)は、シャッタースピードを1/1000~1/4000秒に固定した方が良い場合があることを頭の片隅に入れておきましょう。
最初は絞りだけ見る。
シャッタースピードは一旦忘れてもOK!
ISO感度
定義
ISO感度とは、カメラに取り込まれた光をどのくらい増幅して取り込むかという値です。国際標準化機構(ISO)で決められた表示方法なのでISO感度と呼びます。音楽やラジオの世界で言うアンプと似た仕組みで、増幅すると一緒に含まれているノイズも増幅することになります。
設定のコツ
ノイズが気にならない範囲を常用ISO値といい、ISO 100~常用ISO値の間で用いるのが王道です。気になるレベルは人によるので、私も含め常用ISO値より小さい値で上限ISOを設定して撮る人も多いです。
ただ、少しでもブレた写真を撮るくらいならノイズ多い写真の方がマシであることが多く、ブレるくらいならISO Autoにしておいた方が良いです。
ISOは定義としては知っておいた方が良いので解説しました。
ブレるくらいなら
ISO AutoでOKです!
露出補正
定義
まず露出とは、被写体の明るさに合わせてカメラに取り込まれる光量を調整することを指します。一眼に限らずカメラは、外の明るさを常に測定(測光)しており、測定値を元に取り込む光量を決めています。
ISO感度で増幅しない光量は絞りとシャッタースピードの組み合わせで決まるので、被写体の明るさによって絞りとシャッタースピードが決まることになります。
そして露出補正とは、光量の調節具合をカメラが決めた値から多めにしたり少なめにしたり変更する設定です。
設定のコツ
基本はあまりいじる必要がないです。それよりも、明暗差が極端にある物がファインダーの中にある場合に露出が思ったように決まらないことになります。
つまり、設定値よりも大事なのは、画角に入れる被写体に気を使うことが適正露出をキープするコツです(逆に、あえて明暗差をつけるとシルエット写真が撮れます)。
設定を変えるとしたら、朝日、夕日、夜景などの暗い場面で撮影した際に思った明るさで無かったら少し調整してみましょう。
良く「段階露光撮影」という、3段階の露出で連続撮影するモードを推奨している解説サイトがありますが、個人的にはおすすめしません。
写真の枚数が増えすぎて、写真の管理や編集が嫌になります(笑)
それよりは、枚数を抑えてRAW画像で編集する手段を知った方が良いと思います。
露出設定はまずはデフォルト!
画角内の明暗差が激しすぎないように撮る方が重要。
撮影モード設定
定義
撮影モード設定とは、カメラに取り込まれる光量をどのように決定するかというモードを選ぶ設定です。
Canonの一眼カメラの場合は、上の画像のオレンジの丸で囲まれた「モードダイヤル」によって変更します。
ここでは代表的なモードだけ解説します。
Canon以外の一眼では名称が違いますが、同じ機能のモードは必ずあると思います。
Aモード、Pモード:絞り、シャッタースピード共に自動で設定して光量を決めます。と言いつつも、ブレ写真を作らないようにするためにシャッタースピードはかなり速めに調整されることが多く、絞りはほとんど解放ばかりになります。
Avモード:絞り優先AEと呼ばれるモードで、絞りはユーザが指定し、シャッタースピードを自動で設定して光量を決めます。
Tvモード:シャッター優先AEと呼ばれるモードで、シャッタースピードはユーザが指定し、絞りを自動で設定して光量を決めます。
Mモード:マニュアル撮影と呼ばれるモードで、絞りもシャッタースピードもユーザが指定します。光量はISO感度だけで調整されることになるため、ユーザがしっかり調整しないと真っ白や真っ黒写真になることも珍しくありません。
序盤の方で解説した光量の決め方の図を忘れてしまったかもしれないので、もう一度載せておきます!
ここで紹介したそれぞれのモードは、どれかを固定して他を調節することで面積を合わせます。
こうやってみると、Mモードがかなり無茶(ISO頼み)だということがお分かりになると思います💦
設定のコツ
ほとんどの場合、Avモードに固定で良いです。AモードやPモードはISOを下げようと自動調整されて絞り解放ばかりになり、ピントが一部にしか合っていない写真が撮れやすいです。
被写体の動きが激しい場合のみ、Tvモードを思い出す程度で大丈夫です。Mモードは、これの必要性がわからない限りは当分触る必要がありません。
基本Avモード固定。
被写体速ければTvモード。
Aモード、Pモードは忘れてOK!
焦点距離
定義
カメラを使っていて焦点距離とは何か(50mmが何を指しているか)を意識することは少ないのですが、レンズの光学中心(主点)からカメラ内にある撮像素子に結像するまでの距離のことです。
↑ 気にしなくて良いので、もう忘れてOKです(笑)
焦点距離は、一般的に50mmなどmm(ミリ)で表します。50mmのレンズを標準レンズと呼びます。
50mmより小さい焦点距離のレンズ(16mm、24mmなど)を広角レンズと呼び、大きい焦点距離のレンズ(100mm、400mmなど)を望遠レンズと呼びます。広角レンズは写る範囲(画角)が広く、望遠レンズは写る範囲(画角)が狭くなります。
設定のコツ
撮像素子(センサー)のサイズによって「フルサイズ換算」をしないと画角はわかりません。この話は少し複雑なので解説は別の機会に置いておいて、ここでは焦点距離は画角に影響する指標と覚えておけば十分です。
また、焦点距離はカメラの設定画面にはありません。
レンズ本体に数字で書いてある他、撮った写真のExif情報(ファイルのプロパティを見ると書いてある情報)に記載があります。
焦点距離はレンズ交換やズームで変えるものです!
画角に影響します。
オートフォーカス
定義
オートフォーカスとは、フォーカス(焦点)を自動で合わせてくれる機能です。
基本的にはシャッターボタンやAFボタンを押すことで焦点が自動で調整されます。
最近の一眼では被写体を自動で追いかけたり、プレビュー画面でタッチした場所に焦点を合わせるようなこともできます。
設定のコツ
とりあえず覚えておきたい設定は1つ、「ONE SHOT」か「SERVO」の選択です。
ONE SHOTはシャッターボタンやAFボタンを一度押すと1回焦点が合い、ボタンを押し続けている限りはその焦点距離が固定されます。なので、その後にカメラを動かすか被写体が動くとピンボケします。
SERVOはシャッターボタンやAFボタンを押している間は焦点が調整され続けます。焦点の位置は被写体に追従するカメラが多く、被写体が捕捉できなくなると新たな被写体に焦点が移動します。
基本はONE SHOTの方が使いやすいのですが、被写体の動きが激しい場合はSERVOにしないとピンボケ写真ばかり撮れてしまいます。
「AUTO」という設定がある事もありますが、勝手に切り替わるのはスピード勝負の撮影で邪魔な事が多いので、「ONE SHOT」「SERVO」どちらか固定がオススメです。
基本はONE SHOT。
被写体速ければSERVOで。
RAW画像
定義
RAW画像とはカメラ内の画像処理を行わずに撮像素子が記録したデータを加工しない状態で記録したものです。RAWファイル、RAW形式等とも呼びます。
語源は英語の「生」「未処理」を意味するRawです。
一般的なJPEG画像等に変換するにはRAW画像対応の現像ソフトで現像処理する必要があります。
現像ソフトは一眼カメラに付属してくることが一般的で、Adobe Lightroomなどのサードパーティソフトもあります。
RAW画像最大のメリットとして、撮影後に明るさ、彩度、コントラスト、色温度などを調整しても画像の劣化がありません(厳密に言うと白飛びや黒飛びで色が潰れるとダメですが)。
RAWを保存しておくことで、後で紹介する「撮影時に気にしなくても良い項目」がたくさん増えるので、現地の設定変更を最小限にして撮影に集中することができます。
デメリットは、JPEGよりも記録容量が増えるのと、現像作業はパソコン推奨なことです。
設定のコツ
基本的に「RAW+JPEG画像の記録」がおすすめです。
RAW画像は、撮影後に欲しいと思っても保存できません。
素晴らしい写真はいつ撮れるかわかりませんので、始めからRAWは保存しておいた方が良いと思います。
RAWだけ記録でも人によっては良いかと思いますが、最近のカメラは画像処理エンジンが優秀でJPEGでそのまま使える場合も多いので、両方保存がおすすめです。
また、RAWだけだと備忘録程度の写真も後から全部現像しなければならず、結構面倒だったりします。
RAW保存して、現地では撮影に集中!
RAW画像があれば後からどうにでもなる設定
ここから後に挙げている設定は、RAW画像さえ保存してあれば、現像作業時に自由に変更できると思って良いです。
なので、これらは忘れて撮影に行っても全く問題ありません!!
よっしゃ!
ホワイトバランス
定義
ホワイトバランスとは、白いものを白で表現するための調整機能です。
設定は「オート」「太陽光」「曇り」「電球」「蛍光灯」などがあり、撮影する被写体の光源で切り替えて使います。
RAW画像の現像時には「色温度」という設定もあり、色温度はホワイトバランスの設定に関連しています。
設定のコツ
RAWで変更出来るので、撮影時は全てオートでOKです。
もちろん、設定する余裕のある撮影シーンであれば設定しても良いです。
RAW編集せずとも、カメラから出てくるJPG画像のまま(撮って出し)で満足行く写真が撮れるのであればその方が楽です。
ただ、変更したまま戻すのを忘れて全部の写真が変になってました、とかはカメラあるあるです😅
撮影シーン
定義
撮影シーン機能はCANONの場合は「ピクチャースタイル」という機能名です。
撮影シーンとは、「風景」「ポートレート」など、撮影する状況に応じて彩度や明るさ等を調整してくれる機能です。
また、RAW画像の現像時には「色相」という設定項目があり、色フィルターをかけたような画像は色相の変更によって実現できます。
設定のコツ
定義で書いた通り、彩度や明るさ等なので、RAWさえあれば必要ありません。オートでOKです。
もちろん、撮影時に設定する余裕があるなら設定してカメラから出てくるJPG画像のまま(撮って出し)使うのもアリです。
ただ、変更したまま戻すのを忘れて(以下同じ。。)
まとめ:ちょっと多いけど本当にこれだけ。
覚えること多いじゃん!と思った方も多いかもしれません😅
ただ、本当にこれだけ覚えれば、例えばX(旧Twitter)タイムラインに流れて来るスナップ写真のほとんどは撮れます。
私は撮っている写真の95%以上がスナップ撮影なので、私のX(旧Twitter) @Kenshi2009 で投稿されている写真の95%以上はこれで撮ってます。
これだけと言われれば、
何とか頑張れそう。。
あとは、撮影の場数だけです。
どんどん現地へ出かけて撮影を楽しみましょう♪
最後まで読んで頂いてありがとうございましたm(_ _)m
おわり。
本ブログではEOS R6を使用した撮影のコツや作例を色々と載せています!
良かったら他の記事も眺めて頂けると嬉しいです♪
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この記事を書いた人 Wrote this article
kenshi2009
燻製するフォトグラファー。燻製教室と写真撮影でお仕事したりブログ書いてます。燻製15年目🍖、写真24年目📷、ブログ24年目📓。EOS R6使用。 燻製も写真も季節を楽しみながらやってます🍂 写真の無断転載は禁止。奈良好き🦌 Twitterにほぼ毎日います!【SNS一覧:https://lit.link/kenshi2009】