広い動物園でおすすめなズームレンズの評価とEOS R6を使った作例

広い動物園でおすすめなズームレンズの評価とEOS R6を使った作例
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動物園って、目を凝らさないと動物が見つけられないような展示場もたくさんありますよね。

動物達を狙って撮影するためには良い性能のズームレンズが欲しくなります。

今回、動物園撮影に最適な望遠ズームをモニター品として使う機会がありましたので、EOS R6を使って横浜動物園ズーラシアへ撮影しに行ってきました!

横浜動物園ズーラシアはCanon公式の部活イベントも開催されるほど有名な撮影スポットです。

私が行った日も本日作例を載せる「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」や近い特性のレンズを持っておられる方が数名いらっしゃいました。

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ハリスホーク。躍動感のある写真が撮れました。
f/7.1, 1/4000 s, ISO 25600, 焦点距離428 mm

私は2000年頃の100万画素のデジカメが凄い!と言われたデジカメ初期の頃からカメラに触れ、撮影仕事の経験もあるハイアマチュアカメラマンです。

20年以上のCanonユーザであり、仕事でスマホ内部の構造を知っているエンジニアでもあります。

そのため「一眼カメラ買った方が良いかな??スマホのカメラどれが良いかな?」という質問を本当に多く受けます。

上記背景もあり、スマホ画質の限界やアマチュアが持ち歩きやすいカメラは何なのか、カメラ進化と共に比較し続けてきました。


動物園撮影における使用感(結論)


横浜動物園ズーラシアで一周撮影して回った、RF100-500mm F4.5-7.1 L+EOS R6の使用感をまとめます。長いので以降、「RF100-500mm F4.5-7.1 L」と記載します。
当日の天気は晴れで昼間の撮影ですが、2月なので日差しは強くありませんでした。

ズーム領域

100-500 mmという広範囲をカバーした望遠ズームレンズはとても使いやすく、動物園は「RF100-500mm F4.5-7.1 L」の良さを最も引き出せる撮影シーンの1つだと思いました。
動物を画角一杯に撮れるのは当然のこと、動物の表情まで読み取れる程に大きく撮ることができます。

今回、ズーラシアを回って撮影した写真の統計を見ると使用したズーム領域は100-500 mmの間全てを使っていました。意識したわけではなく、色々な撮影シーンがあったということですね。本記事の最後に撮影した写真のExif統計情報を載せておきます。

逆に、望遠の単焦点レンズでズーラシアを一周撮るのはなかなか苦労するのではないかと思います。

なぜなら被写体の動物達は展示場によって様々な距離にいます。
また、動物の位置や他の来園者の方々の状況により、撮れる距離やアングルは当日行ってみないとわかりません。

動物園でお子さんを撮るにしても同様だと思います。

屋外での描写力

シャッター速度1/2500秒でもISO 6400でしたので、屋外にいる動物達はかなり速く動いていても綺麗に撮れました。
今回の動物で最も被写体が速いシーン、ハリスホークやマゼランワシミミズクが正面に向かって飛んでくる場合は1/4000秒まで速くする必要がありました。1/4000秒まで速くするとノイズが結構気になりました。ただ、被写体はしっかりと止めて写すことができています。

屋内での描写力

ズーラシアの屋内展示場は非常に暗い場所が多く、解放F値がそれほど悪くない200-300 mm程度でもISO 25600が多用されていました。
また屋内では400 mm以上を使う場面はほとんどありませんでしたので、このレンズを活かしきれているとは言えませんでした。
理想を言うならズーラシアの屋内では「RF70-200mm F2.8 L IS USM」などを使った方が遥かに良い写真が撮れるでしょう。



作例の現像条件

ここからRF100-500mm F4.5-7.1 L+EOS R6の作例を紹介させて頂きます。

今回載せている作例は、カメラが自動で行うような明るさ調整、ノイズ除去、シャープネス等は行っています
スポット修正や円形フィルター等は何も使っていません。
トリミングは、元の写真2:3を1:1にする等はしていますが、デジタルズームのように一部を切り抜くようなことはしていません。例えば最初の写真のウミネコは、撮って出しでこの画角です。



【作例】小屋にいる鳥類など(屋外、撮影距離5m以下)


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ウミネコ。飛び立つ先を見据えているようです。顔を画角全体で捉えられます。
f/7.1, 1/400 s, ISO 500, 焦点距離324 mm

鳥小屋の展示場にいるような動物であれば、「RF100-500mm F4.5-7.1 L」顔だけを写すことも可能です。
ただ、小屋の中は日陰になっていると想像以上に暗いことが多いので、日光が適度に当たっている時を狙った方が撮りやすいです。


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ミナミジサイチョウ。長いクチバシ全体に合わせるためF値高めです。
f/10, 1/400 s, ISO 4000, 焦点距離400 mm

また、鳥はクチバシが長いので、意外にF値を上げないとボケてしまうことも多いです。
上の写真はF10まで絞っています。


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フンボルトペンギン。たれ目が可愛い😊
f/7.1, 1/500 s, ISO 2000, 焦点距離400 mm


【作例】広い展示場にいる動物(屋外、撮影距離10m~20m)


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ホッキョクグマ。肉眼だとかなり遠いですが、撮っていたら迫力で少し怖かったくらいです・・!
f/6.3, 1/640 s, ISO 800, 焦点距離300 mm

広い屋外展示場は、明るい場所が多くズームも活かせるので、「RF100-500mm F4.5-7.1 L」の本領発揮といった所です。明るいのでF値の暗さもあまり気になりません。
ほとんどがF7.1以上になり背景がボケづらいので、被写体と背景の配置には注意を払う必要があります。


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オランウータン。遠くの高台で寝てると思いきや、観察されているのはこちらのようです😅
f/10, 1/320 s, ISO 1250, 焦点距離270 mm
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エランド。サバンナエリアの中央付近にいました。肉眼では双眼鏡が欲しい距離です。
f/10, 1/640 s, ISO 250, 焦点距離500 mm

上記が500 mmの作例です。
双眼鏡を使うような距離でも画角一杯にしっかりと動物を捉えることができます。



【作例】屋内の暗い展示場にいる動物(屋内、撮影距離5m以下)


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チンパンジー。表情がとても豊かで、皆違う顔をしていました😗
f/10, 1/160 s, ISO 25600, 焦点距離343 mm

ズーラシアの屋内展示場は非常に暗い場所が多く、解放F値がそれほど悪くない200-300 mm程度でもISO 25600が多用されていました。

上の写真では、チンパンジーの腕が黒基調のためノイズが結構目立ちます。

また屋内では400 mm以上を使う場面はほとんどありませんでしたので、このレンズを活かしきれているとは言えませんでした。


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リビングストンエボシドリ。3mくらいの距離ですが、とても小さな鳥が画面いっぱいに撮れました。
f/10, 1/60 s, ISO 25600, 焦点距離200 mm

上の写真も、背景が黒でノイズが結構見えますね。
こちらはカラーノイズもそれなりに残っています。

ただ、とても小さな鳥を画角一杯にしっかり捉えられています。



【作例】暗い水槽(屋内、撮影距離3m以下)


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フンボルトペンギン。少し速いシャッター速度で、泳いでいる姿を止められています。
f/5, 1/640 s, ISO 8000, 焦点距離159 mm

水族館とほぼ同じ撮影シーンとなる屋内の水槽。
撮影距離が近く200 mm以下なので、正直、「RF100-500mm F4.5-7.1 L」を使う程のシーンではありません。
しっかりと撮影はできていますが、この距離なら「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」等を使った方がもっと綺麗に撮れるでしょう。


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フンボルトペンギン。子供がいることに気づいたのでしょうか。
f/5, 1/640 s, ISO 12800, 焦点距離100 mm


【作例】動きの速い動物(屋外、撮影距離10m~20m)


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ハリスホーク。躍動感のある写真が撮れました。
f/7.1, 1/4000 s, ISO 25600, 焦点距離428 mm

昼間の屋外とは言え、走ったり飛んでいるような動物はかなりシャッター速度を速くする必要があります。
上の作例は高速で飛んでくるハリスホークを正面からサーボ撮影しています。
シャッター速度1/4000秒で、屋内の作例ほどではありませんがISO 25600となり背景や羽にノイズが立ち始めています。


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リカオン。とても広い展示場を小走りくらいの速度で走り回っています。
f/5.6, 1/2500 s, ISO 6400, 焦点距離300 mm

上の作例では1/2500秒で済んでいるため、ISO 6400で撮れています。この動物も中型犬くらいの大きさなので肉眼だとかなり小さいです。


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マゼランワシミミズク。地面スレスレの低空飛行がカッコ良いですね!
f/5.6, 1/2500 s, ISO 1600, 焦点距離300 mm


【参考】今回の撮影写真のExif統計

参考に、今回のExif統計を載せておきます。
作例以外も含む、ズーラシアで撮った写真99枚(現像後のしっかり撮れている写真のみ)の統計となります。

焦点距離

100 mm, 500 mmが多めですが、間もまんべんなく使っています。

横軸:焦点距離[mm]、縦軸:枚数

F値(絞り)

解放F値が暗めなので、自然とF7.1以降が多いです。
明るい屋外ではあまり気にせずF10くらいにしていた記憶があります。

横軸:F値(絞り)、縦軸:枚数

シャッター速度

ほとんどが動く被写体だったので1/500秒以上が多いですね。

横軸:シャッター速度[秒]、縦軸:枚数

ISO感度

被写体が動くのである程度仕方ないですが、ISO 25600をこんなに使っていてちょっと反省です😅

横軸:ISO値、縦軸:枚数


おわりに


本記事では横浜動物園ズーラシアで一周撮影して回った、RF100-500mm F4.5-7.1 L+EOS R6の使用感をまとめました。

詳細な結論は本記事の最初の方に書いてあります。200 mm以上のズーム領域でこれほど躍動感のある解像度で撮れることに驚きました!

RF100-500mm F4.5-7.1 Lの性能に関する記事は下記になります。

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最後まで読んで頂いてありがとうございましたm(_ _)m
おわり。


本ブログではEOS R6について他にも色々と記事を書いていますので、是非読んでみてください♪

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この記事を書いた人 Wrote this article

kenshi2009

燻製するフォトグラファー。燻製教室と写真撮影でお仕事したりブログ書いてます。燻製15年目🍖、写真24年目📷、ブログ24年目📓。EOS R6使用。 燻製も写真も季節を楽しみながらやってます🍂 写真の無断転載は禁止。奈良好き🦌 Twitterにほぼ毎日います!【SNS一覧:https://lit.link/kenshi2009】